絶景の鳳凰三山とオベリスク登攀 ホッコリ合宿
GW合宿で鳳凰三山へ
所属山岳会の合宿で、南アルプスの鳳凰三山へ行ってきました。
本来なら、残雪期のバリエーションルートに行くのが通例ですが、当初予定していた涸沢岳西尾根に先日下見に行ったところ、雪の状態が思いのほか悪く、テン場も手狭だったのでGWに突っ込むのもどうか…ということになり、あまり行く機会がない南アルプスへ転戦。
山行計画としては、夜叉神峠から鳳凰三山を縦走して、御座石鉱泉まで。地蔵岳オベリスクに登攀するというオマケ付き企画です。
5月3日(初日)
大阪を5月2日の夜に出発して、まずは車を1台デポする御座石鉱泉へ向かいます。
この御座石鉱泉までの道路ですが、未舗装の部分がかなり凸凹しているので、車高の低い車は要注意です。
そこから車1台に乗り換えて、登山口の夜叉神を目指します。御座石鉱泉から夜叉神までは車で40分程度。
7時ごろに駐車場に到着して、いざ出発です。
今回は5人パーティー、自分がリーダーなので責任重大。よろしくお願いします!
まずは今日のテン場、南御室小屋を目指します。
そこそこ斜度のある登山道を小一時間ほど歩くと、夜叉神峠。
白峰三山の眺望が綺麗です。
ここから苺平などを経由して、危険箇所もない登山道をひたすら登り、南御室小屋に到着。
途中からクラストしている箇所がでてきたので、アイゼンをつけましたが、この時期ならチェーンスパイクや軽アイゼンでも問題ない状態でした。でも自分達は12本爪ですが…^_^A
冬装備+登攀装備なので、それなりにザック重量もあってしんどかった…。
やっぱり歩荷力は相当落ちてますね。
南御室小屋、お世話になります。
テン場代は500円!今どき良心的な価格です。
雪は少なめですが、テン場を作るぐらいにはあります。
GWなので、鯉のぼりも設置中♪
今日の宿、カミナドーム2。I田さん所有の軽量テントです。
軽さもですが、もっと驚いたのはコンパクトさ。2テンとは思えない収納サイズです。
でも中は天井高にもゆとりがあって広くて快適でした。
お値段はそれなりにします(汗)
南アルプスの天然水!雪から水を作らなくて済む上に、超ウマいっ!
いい感じで湧いてました。
この日は一本だけ歩荷してきたビールを飲んで、亀さんのポトフでお腹いっぱい!
準備と重たい食料、ありがたい限りです。
テントの中で盛り上がり、明日に備えて20時ごろに就寝。明日も天気でありますように。
5月4日(2日目)
朝5:00に起床。
モンベルの#3スリーシーズンのシュラフでしたが、夜はそれなりに冷えました。
早く寝すぎたので4時前から目が覚めて、シュラフでもぞもぞ。
朝ごはんを食べて、テントを撤収。
いよいよ合宿のメイン、鳳凰三山とオベリスクです。
南御室小屋がそれなりの高度なので、今日はおそらく快適な稜線歩き。
いざ出発です。
1時間半ほどで薬師岳に到着。天気もどんどん良くなってきて眺望も良好です。
I田さんと白峰三山。山に来たって感じです。
富士山もいい感じに見えています。北岳とあわせて日本の高峰1位と2位が両サイドに。
そこから観音岳までは30分ほどと近いです。
鳳凰三山の主峰らしく、眺望はここが一番良かった。
360度の絶景で、富士山はもちろん、北アルプス、八ヶ岳、瑞牆山、御嶽などすべてが見渡せる眺望は最高でした。
地蔵岳オベリスクも近づいてきました。
本当に独特な形をしてます、大きなピナクル(尖塔)って感じもします。
地蔵岳には三角点らしきものは見当たらず、お地蔵さんがたくさん並んでいます。
そこで登攀準備をして、今回のハイライトであるオベリスクに取り付きます。
核心のクラックの手前までは難なく上がれます。
以前はお助け紐がたくさん残置されていたようですが、今回はすっきりしていて鎖のみ下部と上部に設置されています。
この鎖がクセもので、フリーで登りたい自分には核心でした…。
リーダーということで最初にマスターで登らせてもらうことになり、本番でカムを撃つのは初めてなので少し緊張しながらクライムオン。
まずは下部の鎖にヌンチャクをセットして1ピン目を取ります。
そこからキャメロット#1と#2を使いながら、クラックを使っての登攀。
右側にはフットホールドになるような溝が削ってあり(チッピング?)せっかくのフリークライミングなので、敢えてそのスタンスは使わずスメアで上がる。おそらく花崗岩なのでスメアは決まりやすいように思います。シューズはアルパインの定番、スパイアーですが…。
途中に黄色いカムがひとつ残置してありました。墜落の衝撃でカムが壊れ外せなくなっているようで、ガッチリ決まっているのでこれでもランニングを取らせてもらい、最後に#1をもう一つ使って上部へ。
ここが核心というほどではないのですが、クラックにジャムを決めたいのですが、ちょうどそこに鎖があって邪魔で仕方がない…。その鎖を掴まないように避けながら、慎重に登り、最後少し右手が悪いですが足はスメアが良く効くのでそのまま終了点へ。
無事にオベリスクをマスターオンサイトです(笑)
終了点にはハーケンが一本だけあります。尖った岩などが無いため、静荷重以外はかけないほうが懸命です。
一段下がったところにバックアップをとって、セカンド以降フォローをビレイします。
O村さん以外はフォローで、O村さんは一旦ロープダウンしてリードでトライ。
少しテンションかかったメンバーもいましたが、全員無事に登頂成功です。
高度がそれなり(2,800m)にあるので、高度感と眺望の中のクライミングに。
とても気持ち良かったし、周りの人に凄いって声をかけてもらえたので、登って良かったです(笑)
といってもグレードはクラック5.8ぐらいのようですが、設置してあるチェーンを避けるのが難しく、体感的にはもう少し難しく感じました。
その後は全員懸垂下降でオベリスクを降りて、鳳凰小屋へ。
小屋に到着するなり、小屋の大将に声をかけられ、「山はやっぱりそうでなくっちゃ〜」とこの時期に冬山フル装備の自分たちを暖かく迎えてくれました。
鳳凰小屋もいいテン場でした、トイレもキレイ。
テン場でラジオの気象情報で天気図作成中の亀さん、いつになく真剣。
そしてお約束のビールで乾杯、この日はゾノさん特製の塩鍋をいただき、締めのラーメンまで美味しくいただきました。どうも奥さん直伝のレシピだったらしく、作り方までメールをくださって、安定の味を担保できました。
ありがとうございました。
その日も、テント内で下ネタを交えながら盛り上がり、「チーム円満」というチーム名まで決定。
楽しいひとときでした。
5月5日(最終日)
この日も5:00起床。
下山するだけなので、もっとゆっくりでもいいのかもですが、合宿なので計画通りに行動。
鳳凰小屋から御座石鉱泉まで。
途中はかなりの急斜面もあり、アイゼンは必須でしたが、登りで使った場合は、かなり体力勝負な感じがしました。
降りでも膝にきます(汗)
途中から富士山や八ヶ岳(阿弥陀岳)などもキレイに見えました。
10:30頃には御座石鉱泉に到着。そこから夜叉神まで車で移動してから温泉でゆっくり。
帰りはご当地ゴハンを探して「南プス食堂」へ。
初めて鳥モツ、きんかんというものを食べましたが、なかなか美味しかった〜。
ここの定食はリーズナブルでボリュームもあって良かったです。
今回の合宿は、緊張する場面はほとんどありませんでしたが、久しぶりに冬装備での歩荷、しっかりテント生活など合宿ならではの基本的なことがおさらい出来て、とても良かったです。
それと、なんといっても楽しかった!それに全員ケガなく無事に戻ってこれた。
山はやっぱり、それが一番大事。
【鳳凰三山&オベリスク登攀】 記録
5/2 前夜発~仮眠
5/3(水)
6:00 御座石鉱泉(車1台デポ)夜叉神峠へ
7:15 夜叉神峠駐車場
7:45 夜叉神峠登山口出発
8:55 夜叉神峠
11:15 杖立峠
12:35 苺平
13:00 南御室小屋
13:30 テント設営完了
5/4(木)
5:00 起床
6:50 南御室小屋出発
8:30 薬師岳山頂
9:20 観音岳山頂
11:10 地蔵岳~オベリスク登攀
13:30 オベリスク登攀終了
14:20 オベリスク出発
14:55 鳳凰小屋
15:30 テント設営完了
5/5(金)
5:00 起床
6:35 鳳凰小屋出発
7:45 燕頭山
9:45 西ノ平
10:30 御座石鉱泉
12:00 夜叉神峠駐車場
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こんばんは!
待ってました合宿の記事^ ^
さすがきめ細かい文に記憶が蘇ってきました。
実は初合宿で多少緊張しておりましたが、リーダーはじめ皆様のおかげで楽しく過ごす事ができました。
改めてありがとうございました!
また是非ご一緒下さい、チーム円満万歳
かめさん
コメントありがとうございます。
楽しい合宿でしたね~。
食担もご苦労さまでした。
「チーム円満」で、ぜひまた行きましょう!