2021年の夏山 読売新道
夏山第二弾は読売新道へ
今年の盆休みはコロナ禍ということもあって例年よりも長く休めたので、長期縦走を計画。
候補としては、①栂海新道 ②裏銀座 ③読売新道 ④八ヶ岳南北縦走 の4つ。
どれも3連休以上は必要なので、計画しつつ敗退したものも含めて歩いたことがないルートです。
縦走形式なので、基本移動手段は高速バス。アクセスしやすいのは、新穂高、扇沢、小淵沢なので、今回は栂海新道は外すとして、裏銀座に扇沢から入って、新穂高まで歩くルートで計画。
針ノ木から船窪経由で裏銀座に取り付くプランです。
連休の天気が悪い
ただ、いざ計画し始めてみると、お盆の連休の天気がずっと悪い…。
もっても前半の4日間ぐらいと予想し、8月6日〜10日で再計画。
バスが予約できた新穂高〜立山まで歩く読売新道で行くことにしました。
予定プラン
1日目 新穂高温泉〜三俣山荘
2日目 三俣山荘〜奥黒部ヒュッテ
3日目 奥黒部ヒュッテ〜平の渡し〜五色ヶ原
4日目 五色ヶ原〜立山
オールテント泊プラン、三俣山荘は7日以降は繁忙期なので予約制、他のテン場は予約不要なので、よっぽど遅く着かない限りは張れるだろうと考えました。
8月6日(金)
新穂高温泉直行の近鉄バス 京都から夜行バスに乗り、新穂高到着が6時前ですが、予定より少し早めに到着し、5時半ごろに出発します。
天気はまずまず、わさび平、鏡平など整備された道をのんびり歩く。
これぞ夏山って感じです、最高です。
途中で笠ヶ岳方面。台風予報でしたが、少しそれてくれたようで快晴!
日焼けのほうが心配になるぐらいです(笑)
双六までは終始槍ヶ岳を眺めながらの快適な縦走路。平日にも関わらず、それなりに歩いている方もいらっしゃいます。天気が悪化予想なので、下山ですれ違う方のほうが多かったですが。
10時20分 双六小屋着
飛行機雲もハッキリと見える、上々の天気!
これなら双六山頂からの槍の眺めも期待できそうです。
小屋前で少し早めのお昼にして、双六山頂へ
天気に恵まれ、前回は拝めなかった槍ヶ岳ショットを納めることができました!歩いている人も少なめなので、いい写真になりました(スマホでの撮影ですが…)
12時10分 双六岳山頂
そのまま三俣蓮華岳へ向かいます。
13時5分 三俣蓮華岳
少し写真などを撮って、初日の幕営地の三俣山荘へ向かいます。
13時30分 三俣山荘
テン場は、水場のすぐ横で鷲羽岳ががっつり見える、良いところに張らせてもらいました。
今年は2,000円とコロナ禍なので少しお高いですが、最高のロケーションで、しかも水が超ウマイ!
早めに着いたので、ビール飲みながら昼寝…。ドコモは携帯が圏外なのでスマホをいじることもなく、本当にボーッとできます。
この日は、15時ぐらいからテント泊の人が増えてきましたが、それでもシーズン中ということを考えると空いていたと思います。平日だったのもありますが、やっぱり台風で天気が悪かったので中止した人も多かったようです。
でも予想外の好天で、1日目は最高の歩きで終了。
8月7日(土)
三俣山荘〜奥黒部ヒュッテ(読売新道)
朝5時10分に出発。朝起きるとガスが大量に発生、鷲羽は完全に靄に包まれております。
仕方がないので、見通しの悪い靄の中を歩きますが、眺望・視界ともにほぼありません。
6時10分 鷲羽山頂
鷲羽からワリモ岳、ぐらいからガスが取れはじめ、北の山々が姿を表してくれました。
水晶岳方面は良く晴れています、読売新道、濡れていたら下り足元悪そうやな…と思っていたのですが、今日も天気はもってくれそうです。
7時10分 水晶小屋
ここで電波が入ることに気がつき、天気予報をチェック。
この日と翌日まではなんとか天気は良さそうだが、10日は荒れ模様の様子。
立山方面、五色ヶ原まで歩くかちょっと考え、9日に扇沢に下山し、松本から夜行に乗るプランも検討。バスを見てみると、席が沢山空いていたので、とりあえず予約だけしておきました。
奥黒部は電波がなく、結果これが正解でした。
7時50分 水晶岳
小屋から30分ほどで水晶岳の山頂へ
頂上はあまりスペースがなく、人が多いと大変なのですが、この日のこの時間帯にはほとんど人がおらず心配ありませんでした。
というか、この先はほとんど人に会うことが無くなるのですが。
ここからはややガレた道が続きます。稜線沿いの快適なルートと思いきや、足元があまり良くないので、少し気を使いながらの歩き。アップダウンはそれほどではありませんが、その割には疲れます。
赤牛岳が見えているのに、なかなか近づいてこないのも疲れる要因かも…。
8時40分 温泉沢の頭 ここを下ると高天原温泉に
やや疲れがなら歩き、ようやく山頂、と思ったら山頂に鳥の形をしたオブジェらしきものが。
と思ったら、本物の雷鳥でした。
本当のピークで出くわすことは初めてだったんですが、人が少ない赤牛岳ならではなのかな?
人懐っこいので、近づいてもなかなか逃げたりしませんが、写真に収めるのが難しい…。
10時10分 赤牛岳
ここで1時間ほど珈琲を淹れて休憩。
読売新道、人にほとんど会わない。
奥深いのもあって、土曜にこの地点に来る人が少ないのもあると思いますが、水晶小屋から会ったのがピストンで引き返したきた人が一人だけ。
赤牛岳の頂上からの眺めを贅沢にも独り占めです。
薬師岳が目の前にどーんと見えているのと、裏銀座、黒部ダムなども見えていて、眺望も最高です!
ここから先は、どんどん標高を下げながらの下り。遠く見える黒部ダム方面を目指して進みます。
途中標識がいくつもあり、全部で8つあるようで下りの場合は数字が減っていくカウントダウンです。ひとつあたり10分から15分ぐらいでしょうか。
途中から樹林帯に入り、クマでも出そうな雰囲気です。
木の根っこなど滑りやすいので注意が必要ですが、整備された一本道なので迷うことはありません。
13時35分 奥黒部ヒュッテ着
テン場は小屋から2分ほど下がったところにあります。
広々していて平坦な快適なテン場です。
ただ、標高が低いせいか虫がかなりいまして、おそらくブヨかと思われますが無防備に昼寝などしてしまったせいで、かなり刺されてしまいました。
虫刺されには要注意です。
小屋でビールを買って、早速プシュっといっときました。
この日に黒部側から登ってこられた方が数組いらっしゃって、翌日赤牛をピストンする方と自分とは逆向きに三俣まで縦走する方がいらっしゃいましたが、縦走のほうは登りはかなりしんどそう…。
夕方に雷が鳴って、少し降りましたが雨もすぐに止んで静かなテン場でひと休み。
疲れていたのか、この日もぐっすり眠れました(モンベル#3では暑いです)
8月9日(日)
この日は平の渡し2便(10時20分発)の予定なので、テントも乾かす時間があってテン場でゆっくりしてからの出発です。
2時間のコースタイムで湖畔沿いを歩く平坦な道と思いきや、沢の部分を巻いたりする部分が多く、ハシゴなどのアップダウンもそれなりにあって汗をかきます。
そしてここで事件が発生!
ここでもすれ違う人がいないなーと思って歩いていると、やっと人に出会ったかと思ったらなんとツキノワグマ(仔熊)でした。あっちの方が先に気づいていたようで、すぐに山のほうに上がって逃げていってくれたので難を逃れましたが、クマの出没が多いようです。
びっくりして、そこからは恐る恐る進みましたが、それでも1時間ほどで渡し場に到着したので、乗船まで船着場でコーヒーなど飲みながら到着を待ちました。
10時20分 ピッタリの時刻に渡し船が到着。
船頭さん2名、乗員6名で出船、5分ほどの短い船旅です。
そこからは、五色ヶ原には向かわず、黒部ダム方面へ。
こちらもそれなりのアップダウンのある道ですが、歩きやすい湖畔沿いの道を歩き、12時半頃にロッジくろよんへ。
黒部ダムの周辺は、さすが観光地という感じで人が沢山でしたが、ダムの観光放水を見てからトロリーバス改め関電バスに乗って扇沢まで。
そこから大町温泉郷までバスで移動し、定番の薬師の湯で汗を流しました。
帰りのバスは松本発23時台なので、松本駅から松本城まで散策。
ライトアップされた松本城で今回の夏山を締めました。
今回は1日行程を短縮しましたが、そのおかげで晴天の中を三日間歩くことが出来ました。
1日遅れで入山した友人は天気が荒れて山小屋で停滞を余儀なくされていたようなので、9日に下山して正解だったようです。
熊に遭するなど、ちょっとしたアクシデントはありましたが、無事に戻ってこれて良い夏山でした。
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