覚えたい 基本ロープワーク④

覚えたい 基本ロープワーク④

続いてラストの5種類を紹介します。

ここに最大の難関、ムンターヒッチ(イタリアンヒッチ)がありますね。

この結びは、結び目自体はカンタンなのですが、シーンごとに数種類覚えないといけないロープワークです。あらゆる方向から、またはカラビナのゲートの向きなどにもよって 変わるので大変奥が深い結びです。

 

⑯ガースヒッチ(タイオフ)

ガースヒッチは、立ち木などで支点を作るときや、スリングなどをハーネスに結んだりする時などに使う結びです。シンプルな結び目なので、ねじれを無くしてスリングの強度を落とさないのことも大事です。

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ロープを交差させて一端をもう一端の輪の中に通します。

 

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結び目を引き締めて完成。

 

木や岩などにガースヒッチをする際は、スリングなどをなるべく屈曲させないほうが強度が弱まりません。

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このように真っすぐのほうが負荷がかかりにくいです。

 

 

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こうなると屈曲している部分のスリングが強度が弱くなってしまうので注意です。

 

⑰クローブヒッチ(インクノット)

クローブヒッチは巻き結びとも言い、結束力が強く、結んだあとで長さの調節もしやすいのが特長です。終了点でメインロープで支点確保する際にも使います。

先に輪を作っておく先輪と、あとから結びをつくる後輪があります。

 

まずは先輪です。ループを2回つくり(メガネとか言うみたいです)

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そして後から作ったほうのループを先に作ったループの下に持っていきます。

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交差した中心の輪がクローブヒッチになります。結び目を整えるとこのような形。

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次に後輪です。実際はこちらのケースのほうが多いです。

カラビナにフックして結ぶ形です。

 

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カラビナにロープを掛けます。(カラビナは右側にゲートがあります)

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カラビナの奥のほうのロープを逆手でとって、時計まわしに一回ひねります。

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そのままゲートにかけます。

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結び目を締めて完成。締める時はロープを一本づつ引いて締めることが大事です。

ゲートが左の場合は、全く逆の手順になります。自分は左手でやったほうがやりやすいですが、左右どちらでも出来るようにしたほうが良いでしょう。

 

⑱ムンターヒッチ

ムンターヒッチは一番多く使います。ATCなどの確保器を使わずに懸垂下降ができたりと、レスキューで一旦ロープの流れを止めたりする際にはかならず使用するロープワークです。

種類が多いので、代表的なものを紹介します。

 

まずは先輪です。これも何種類かありますが、まずはゲートと反対側の方向に時計まわしに2回ひねります。

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このような形を作ってから、ゲートを左にしてロープにカラビナをかけます。(逆になるとゲート側にロープが流れる形になるため、ゲートにロープが干渉して良くありません)

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次に後輪です。これはロープにテンションがかかっていることが前提ですので、ロープは片方しか操作できません。先輪より難しくなります。

 

まずはカラビナにロープを掛けます。

 

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手前側のロープにテンションがある場合とします。この場合は奥のロープしか手繰れませんので奥のロープを手前に引きます。

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手前側のロープを上からまたぐようにして、そのままひねらずにゲートにかけます。

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撮影しにくいので持ち替えてますが、このような形です。このまま結び目を引き締めれば完成です。安全環の締め忘れに注意。

 

今度は奥側のロープがテンションがかかっている場合です。

手前のロープを逆手でとって、時計まわしに一回ひねります。

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このような形になります。

 

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それからカラビナのゲートにかけます。もうムンターの形になってますね。

結び目を締めて完成です。

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ムンターヒッチは、カラビナを手にもって作るやり方など他にも色々と種類があります。この結びをつくる時は、ロープにぶら下がっていたり、ぶら下がっている人を確保するケースなどが多いです。間違えると危険なので何度も練習してどんな場面でもできるようにすることが大事です。

ムンターヒッチの後にミュールノットを作って、「ムンターミュール」というロープワークもレスキューでは多用します。

⑲ラビットノット

エイトノットの強化版という感覚で使います。強くテンションがかかった際にエイトノットよりも解きやすいと思います。

途中まではエイトノットと同じです。

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ここでエイトノットを作らずに、ロープの腹だけ通し、ループの先端をぼうしのようにかぶせます。

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くぐらせたロープをしたまで回して、結び目を整えて完成。末端処理も行ったほうが良いです。

 

⑳ワイヤー南京

ブーリンノット(もやい結び)の2重版。トラックの荷台などで使われたり、トップロープでハーネスに安全環カラビナで連結する際などに使います。ただあまり使うことが少ない気もします。

 

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ブーリンは一本ですが、2重で同じ形を作ります。

 

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結び目を整えて完成です。なんでワイヤー南京って呼ぶんでしょうかね。南京結びとも言うようです。

 

以上で20種類、4回にわけて紹介しました。ブログで写真を撮って結び目を確認することでロープワークの良い復習になりました。忘れないように自分のものに出来そうです。