ジャンダルムのはずがゴジラへ
リベンジ、奥穂〜西穂縦走
先日の海の日に途中敗退した、穂高の縦走。
今週、逆向きに再度チャレンジすべく計画していたのですが、あいにくの悪天候。
台風10号もまさかのUターンで、本州に接近する始末。
なんかこの縦走路とは相性が良くないのかも…とか思ってしまいます。
とりあえず、同行のOさんと平湯まで向かい、その時点の予報で新穂高へ向かうか上高地へ向かうか決めようということになりました。
上高地発を候補に入れたのは、土曜に天気が回復してきたらザイテングラートで穂高岳山荘まで行って、縦走にチャレンジする目も残したかったからです。
天気が悪かった場合は、短時間で登れる北穂東稜が代替案です。
初日はやはり雨
平湯では天気予報が微妙で、今回は上高地発ということにしました。
あかんだな駐車場からバスで上高地へ。
上高地バスターミナルは、もう普通に雨が降っています。しかしここまで来た以上はとりあえず涸沢を目指します。
ここで、涸沢までのルートなんですが、雪の残る時期は歩けないパノラマコースをまだ歩いたことがなかったもんで、登りにこのコースを選択。
これが、間違いやったかもしれません…登りで使う人はあまりいないコースでかなりしんどかった…。
もう屏風のコル手前の急登にはやられました…。
屏風のコルにやっと到着したころには、もう屏風の頭まで行く気力なし。
パノラマコース、下山での利用をオススメです。途中ですれ違った人に、「まさか人に会うとは思わんかった…」と言われました。
11:05 涸沢ヒュッテ着。
残念ながら、涸沢もしっかり雨でした。テントも10張ほど。こんなに空いている涸沢は初めてでした。
ここで休憩して、寒さのあまりおでん、そしてビールを飲んでしまい、もはや穂高岳山荘まで3時間あまり、雨の中を登る気力を失ってしまいました。
またこの時点では、天気もあまり快方へ向かう予想では無かった(山の天気はむずかしいですね…)ので、涸沢定着で北穂東稜に決定してしまいました。
ジャンダルムよ、またの機会に…。
おでん+ビールセット 1,100円なり。おでんはアツアツで美味かった…。
Oさんはラーメン。これも美味そう。
ということで、雨のテン場で昼過ぎからゆっくり休憩し、びしょ濡れになった衣服などをせっせと乾かします。
Oさん持参のテントはファイントラックのカミナドーム2型。長辺側に出入り口のある、広くて軽い快適なテントでした。
ふたりで慎ましく食事をして、明日に備えて就寝。テントは快適でしたが、夜半に雨がまた降ってきて、明日登れるんかな…。
ところが翌日の朝、ガスはひどいですが、雨は明け方ちょっと降ったあとは止んでくれています。
雨、大丈夫そう。準備をしていざ出発。定着なので荷物も軽く、天気も良化してココロも軽い!
朝日が出る前の前穂北尾根と涸沢のテン場、神々しい。
5:00ジャスト、北穂登山口から出発。ちょっとガスってますが昨日より遥かにマシ。
見えてきました、北穂。やはり近い。
前穂が超絶にキレイ。iphoneなのでうまくお伝えできないのが残念です。
夜明け、天気、晴れそう〜。
南稜と東稜分岐周辺のゴルジュ手前を登るOさん。
さあ、ここから東稜へ。
Y字型のルンゼの右側から稜線へ上がります。
ゴジラが見えました、もう天気は心配なさそう。
二俣のルンゼ。踏み跡があるので迷うことはないと思います。足元はかなりガレているので落石に注意しながら慎重に登ります。
稜線にあがると眺望が素晴らしいです。正面に常念岳ほか
ガスが晴れて、奥穂高岳。穂高岳山荘も見えています。まだ山頂に人の影は見えませんね、奥穂も空いている?
こちらはこれから登る東稜とゴールの北穂高小屋。
Oさんが撮ってくれてました。後立山が見えるくらいの天気。
ゴツゴツしてきました、いよいよゴジラの背に乗っかります。
ゴジラの背の横には巻道もついていて、その気になれば巻道で上がれちゃいますが、それだと何をしに来たのかわかりませんので、敢えて難しそうなところを選んで進みます。
といってもホールド、スタンス豊富でこのあたりはロープは不要かと。
ナイフリッジの手前に到着。残置スリングがあるので、この先5mほど進んだところからロープを出します。
1ピッチ目、トップはOさんで。30m×2ピッチのようなので、写真のところでピッチを切って交代です。
2ピッチ目は懸垂支点のある終了点まで。ここも右手に道があり、あるいて懸垂支点までラクラク行けますが、それだと何をしに来たのかわからないので、左側に岩を乗っ越して、ギザギザのナイフリッジをトラバースします。スタンスは薄めですが、ホールドはバッチリな感じです。
懸垂支点らしき場所に到着して、懸垂下降しました。残置スリングは古いものがたくさんハーケンに通してあり、捨て縄を通すところがもはや無い状況でした。
ナイフで古い残置スリングは取ってしまったほうが良いかもしれません。
また懸垂しなくとも、右手にクライムダウンできる箇所ともう一方にも懸垂できるように2枚残置カラビナがあったのでこっち側でもいいのかもしれません。
回収時にロープが引っかかりそうだったので、自分たちは左手奥の支点をつかって懸垂しました。12〜13mくらいでしょうか。
こちら側も壁は立ってますが、下から見たらクライムダウンできそうな感じはあります。ただ絶対落ちれないので懸垂したほうが無難かと思います。
懸垂下降中のOさん。
東稜のコル。さあ、ここから最後の登り。ガレガレなので、落石を起こさないように登るのが大変です。どちかというと、こっちのほうが難しい…。
ゴジラの背を振りかえって。短かく、すぐ終わってしまった感じ。
ガスが晴れて、槍の穂先も姿を現してくれた。
8:15 北穂高小屋着。
去年来た時も晴天、同じカットで一枚。違うのは人が少ないこと。
小屋前も貸切状態でのんびりさせてもらいました。
北穂のドリップコーヒーとみかんの缶詰め、コーヒー波波淹れてくださいました、めっちゃウマし。
3,000m以上の高度とは思えんクオリティ。
知らない内にOさんが撮ってくれていた一枚。再来週、槍から行けるとこまで縦走しようと思っているところかな…。
定番ショット。奥穂縦走でも十分行けたこの天気。
今回残念だったジャンダルムも馬の背もロバの耳までハッキリと。
帰りのバスは上高地発17:00。これに間に合うようにまずは涸沢に降ります。
小屋でゆっくりし過ぎたので、少し早足。1時間ほどで涸沢まで。
テントを乾かして、撤収後、徳沢のソフトクリームを目指します。
河童橋で下界の値段になってビールを飲んでから、上高地発15:00のバスに乗車。
ひらゆの森で温泉につかって、帰阪しました。
今回、結果的に北穂東稜に登ることになりましたが、穂高縦走は単独でも行けるし、二人でないとなかなか行けないルートだったので、かえって良かった。
お付き合いくださったOさん、ありがとうございました。次は前穂北尾根か明神の東稜あたりですかね〜。
◎今回の山行記録
8月27日
上高地バスターミナル発 6:00
10:16 屏風のコル
11:05 涸沢ヒュッテ
テント設営後 幕営
8月28日
涸沢テン場発 4:55
5:00 北穂登山口
5:39 北穂南稜、東稜分岐
5:54 東稜取付(ハーネス装着)
6:41 ビレイ点着(登攀準備)
7:30 懸垂支点着、懸垂下降
7:44 東稜のコル
8:15 北穂高小屋
8:55 北穂高岳
9:59 涸沢テン場 11:04
11:56 本谷橋(休憩5分ほど)
12:43 横尾
13:20 徳澤(ソフトクリーム休憩15分ほど)
14:10 明神
14:40 河童橋(ビール休憩10分ほど)
15:00 上高地バスターミナルよりバスにて平湯へ
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北穂小屋のフルーツ缶詰!懐かしい!
すごく美味しかった思い出がある。
またまたキレイな写真、ありがとうね!
チョリオさん
いつもコメントありがとうございます。
またもや雨に降られリベンジなりませんでしたが、結果なかなか行けそうになかった北穂東稜に登れて、天気も回復してよかったです。
みかんの缶詰はOさんにゴチになったんですが、これは北穂高小屋の定番?やったんですね。
確かに美味かったです。
こんばんは〜
初めて投稿させていただきます。
私もパノラマコースでゲロゲロになった事があります^^;
あれキツいデス!
同行されたのはOツキさんでしょうか?
皆さんひと夏で何回も北アルプス行かれるんですね。
すごい!
かめさん
コメントありがとうございます。
天気に恵まれず、ジャンはおあずけでしたが、Oつきさんと北穂東稜に行けて良かったです。もはやなかなか行く機会がないルートだったので…(^_^;)
今週、もう一回ジャンにトライしてきます。天気はなんとか…、もってくれたらって感じですが(^_^)