アイゼン(クランポン)のメンテナンス

アイゼン(クランポン)のメンテナンス

クロモリ製アイゼンの手入れ

雪山を登るに当たり、アイゼンは大事な道具ですよね。

滑落すれば命に関わるか、大ケガ…。

 

そんなアイゼンに足下のトラクションを任せるのだから、爪の具合は大切なはず。

ただ、クロモリのアイゼンは、アイゼントレなど岩場で酷使するとすぐに爪が丸くなってしまいます。

練習でピンピンでも、本番で丸くなってしまっていたらアイゼントレをやった意味がないですよね。

 

クロモリの12本爪ともなると両足で24本分の爪を尖らせないといけないので、ついつい手入れを怠りがちなアイゼンですが、

丸くなった爪を目の前にして、「これからの本番に備えなあかん」と思い立ち、いよいよアイゼンの手入れをする事にしました。

アイゼンはペツルのVASAK(バサック)のレバーロックタイプ。セミワンタッチアイゼンです。

 

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先日アイゼントレをやって、河原で水洗いした後で持ち帰り、家で新聞紙にくるんで保管しておいたのですが、 それだけですぐに錆が浮いてしまってました。

 

錆び自体は、雪の上を少し歩けばすぐに無くなってしまうので問題ないと思いますが、爪もけっこう丸くなってます。

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爪のアップ。買ったばかりのころは、危ないな〜と思うくらい尖ってました。

が…今は丸くなってますね(汗)

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アンチスノープレートを外してバラバラにしても良かったのですが、今回は爪だけのメンテナンスで大丈夫そうなので外さずにそのまま削りにいきます。

アンチスノープレートを外すのであれば、ペツルの場合はネジ留めになっているのでネジを4カ所外せばOK。 それで底のプレートも外せるので、バラバラに出来ます♪

後ろ側のバックルは外したほうが磨きやすいので、このパーツは外します。角度を変えて穴から外すだけなのでカンタンです。

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いよいよ爪を研ぎます。

ダイヤモンドシャープナーとかでなくても、安い板ヤスリで十分。

アイゼンの爪が薄くならないように、爪の側面だけを削ります。

 

ガリガリ、ゴリゴリ、けっこう大変ですが、しっかり削れば鋭利な爪先が復活します。

マットの黒色タッチペンなどで色も付ければさらにキレイですが、すぐに剝げてしまうので、自分はそのまま。

そこまで見た目は気にしません。

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そして仕上げにシリコンスプレーを全体に吹いてよく馴染ませたら終了。

本来金属の錆止めとしてはKURE5-56のような機械油のほうが優れているのですが、機械油はプラスチックなどの樹脂パーツを傷めてしまうので、 アイゼンの錆止めとしてはシリコンスプレーが向いているようです。

 

所要時間、1人分のアイゼンで1時間程度。

そこそこの力仕事ですが、キレイになって気持ちいいし、安全性も増しますよね。

アイゼンを放置しちゃってる人は、カンタンなので手入れしてみては。

ただ、尖らせ過ぎには要注意。 アイゼンケースに穴が空いたり、万一歩行中に内股を引っ掛けたりした時に、ゲイターが破れたりします。