膝の痛みを克服するには?

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登山をするにあたって、膝(ヒザ)の痛みはつらい問題ですよね。

たとえば重いザックを背負って北アルプスの岩稜を下っているときに、すごく痛くなって膝がたたなくなってしまう場合があります。岩場をどうやって乗り越えるか、山小屋まではまだかなり距離がある・・・。そんなケースをできるだけ回避したい。そんなわけで、少し調べてみました。夏に向けてテント泊縦走でしっかり荷物を背負っても膝痛に悩まされないにはどうしたらええのか。

膝痛の定義

この言葉自体は医学的には存在しないもので、「ひざいた」とか「ひざつう」は通称です。医学上は「膝蓋軟骨軟化症」や「半月板損傷」といったたいそうな名前(これかなり重症な感じしますね)になるようです。普段の歩き方や、生活習慣、その予防の仕方まで調べうる限りですがご紹介します。

膝痛の症状

①水がたまる

変形性膝関節症などがより悪化した場合に起こる症状であり、関節炎によって関節包の中に関節液が溜まってしまうことをいう。膝関節水腫ともいう。

②半月板損傷

大腿骨と脛骨の間でクッションの役割を果たしている半月板にキズがついてしまったり、断裂することによって生じる。滑落・転落や事故などの外傷要因であることが多い。

③膝蓋軟骨軟化症

膝蓋骨、つまりお皿まわりに痛みを感じ、多くは膝の内側部に発症する。過度の使用による軟骨のすり減りなどが要因。マラソンなどでは「ランナー膝」ともいわれ、膝に衝撃がかかる運動でなりやすい。

④変形性膝関節症

膝の関節軟骨や半月板が、すり減りや変形などにより、膝関節に痛みを伴う大小の炎症を起こしてしまう状態。加齢や肥満などが要因で、時間をかけて少しずつ障害となる場合が多い。

膝の構造

こちらに詳しい情報が出てました。図解ありで分かりやすいです。

ヒザ関節ネット

緻密につくられた人間のヒザは、たくさんの骨や筋肉から構成されてます。どこかが傷めば関係器官に影響がでるのもわかる気がします。

どうしてヒザが痛くなる?

山登りで考えられるヒザの痛みの原因

過度の荷重

筋力以上に重いザックを長時間背負うと負担に。体力にあわせた荷重を考えることが大事です。軽い装備は高価ですが、やはりモノの持ち過ぎは問題です。

転倒・滑落

ヒザの問題以前に、大ケガになる可能性もあります。大きな動きは控え、慎重に行動することが大事です。

ドシドシ歩き

下山時は小さなジャンプを繰り返しという感覚で。ソフトに小股での足運びがヒザへの負担を和らげます。トレッキングポールの併用も効果あります。

カラダの疲れ

歩き過ぎによる披露は、筋肉の弾性を失わせます。そうなる前にこまめに休息とを栄養補給を。

扁平足や外反母趾

扁平足や外反母趾、O脚なども要因として考えられます。カラダの重心がずれると、ヒザへの衝撃もズレが生じ、負担がかかってしまう。自己チェックから対策してみましょう。

自己診断と膝痛予防法

まずは自己チェック

①膝蓋骨と頸骨はちゃんとまっすぐ?

ひざのお皿とすねの骨とのズレ具合をチェックします。

まずは意識してヒザを垂直に立てます。そして膝頭を左右の指で覆うようににして手を添えてみる。

そのときにヒザの出っ張り(頸骨粗面)がどの向きにあるかを見てください。

②立ち姿勢の確認

全身が写る鏡の前に立ってください。

左右どちらかに肩がさがっている、猫背気味の場合は重心がズレて負担に要因になります。

③O脚かどうかは指3本が目安

左右の足首をぴったりとくっつけて直立します。そしてヒザの間に手を開いて入れてみてください。指が何本入るかをチェックして、3本以上が入る場合はO脚の傾向が強いとされています。

④つま先と膝頭の位置関係をみる

足を一歩踏み出して、膝頭と脛骨の位置をチェック。膝頭とつま先が一直線になっていれば骨の位置は正しく、そうでなければ左右どちらかにズレていることに。

⑤座った状態の膝裏の隙間

筋肉が柔らかければ、ヒザはまっすぐに伸ばすことができます。変形性膝関節症などの障害を抱えている場合は、この姿勢がつらいことが多いです。ヒザ下の隙間が広すぎる場合は、マッサージなどでほぐしてあがてください。

⑥肥満度(BMI)をチェック

やはり体重は大きいです。重い荷物を持っているのと同じですから。心あたりのある方は、筋力をつけるか痩せる!これが一番効果があります。まずは自己チェックを!

BMI(Body Mass Index) 肥満度を表す世界共通の指標です。

BMI=体重(kg)/身長(m)² で算出できます。日本人の場合は「22」が標準とされてます。

【例】身長170cm、体重70kgの場合

70 ÷ (1.7×1.7)=24.22  BMIは24.22になります。 すこし体重多めということになりますね。

膝痛を改善するには

足指力を鍛える

普段はあまり気にしない「足の指」。人の体は歩行や運動をしているとき、あまり意識することはないのだが大きくグラグラ揺れている。このとき足指が正常に機能していれば、足全体で揺れを吸収して足の上部に伝えられる衝撃を最小限に抑えてくれる。

ここで足指が変形してしまっていると、歩行時や運動時に衝撃も吸収されないし、体全体がバランスを欠いた状態になってしまいます。その状態で何時間も歩き続けるとちょっとしたズレが体の筋肉や関節に負担をかけ、筋肉疲労や膝痛、腰痛などを引き起こします。

現代人に多い足指のゆがみの種類

  • 親指の付け根が小指に向かってくの字状に曲がっている「外反母趾」
  • 小指が薬指の側に内向きに曲がる「内反小趾」
  • 指の関節がL字型に屈んだような形になる「屈み指(ハンマー指)」
  • 指が反ってしまい地面に着かない「浮き指」
  • 指がねじれて寝ているような状態になる「寝指」

五本指のアイテムで鍛える

①五本指シューズ

ビブラムのファイブフィンガーズ

②五本指ソックス

 

足指のストレッチ

足の指の間にゆびを入れて伸ばすだけ。最初は痛くても、そのうち足の指も広がり気持ちよくなってきます。入浴時に行うのが効果的です。

テーピング&サポーターで膝を守る

テーピングやサポーターは、正しく使えば膝痛を予防・軽減してくれます。筋肉や関節の過度な動きを抑えて補強し、ピンポイントで膝を守ってくれます。

ミズノ 登山用サポーター


テーピングにはさまざまな種類がありますが、伸縮性のあるキネシオロジータイプがベターです。基本的な巻き方は、パテラタイプとリガメントタイプの2種類です。日東メディカルさんのホームページはわかりやすいです。

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リガード テーピングテープKS

トレッキングポールで膝を守る

体への負担をポールで分散させることができるので膝痛持ちにはまさに必須のアイテムでは。

膝に不安を抱えている人は、迷わず2本使い、そしてI型をオススメします。

伸縮型と折り畳み型があり、用途によって使い分けられる。総じて折り畳み型が軽量コンパクト。強度が欲しいなら伸縮型を選ぶ。

ブラックダイアモンド 伸縮型の定番 トレイルショックコンパクト

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